いじめ防止基本方針を入手する

いじめ防止基本方針

いじめ防止基本方針は、いじめ防止対策推進法に定められており、各校必ず設置されています。

根拠法
いじめ防止対策推進法 
(学校いじめ防止基本方針)
第十三条 学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。

※ 「参酌する」とは、「参考にして調書を取り入れるということ」です。

いじめ防止基本方針は、文部科学省が定めたものの他に地方自治体が定めたものなどがあります。(いじめ防止対策推進法第11条、第12条)これらのいじめ防止基本方針を各学校は参酌し、その学校に合わせた対策などを定めることになっています。

各学校のいじめ防止基本方針には、いじめの定義(いじめ防止対策推進法第2条の定義)を示し、いじめが起きた場合や予防教育などの策定、実施について「いじめ防止対策委員会」の構成が示されているはずです。
主に、このいじめ防止基本方針に示される内容は「いじめの定義」「対策委員会の構成」「いじめが起きた場合の対処など」「学校がやるべきこと」「予防教育の年間スケジュール」などがあり、いわば、学校が自ら作成した「学校のいじめ対策マニュアル」となります。
また、いじめ防止基本方針は、原則公開のもので、学校のホームページリンクに貼り付けてあるのが一般的ですが、ない場合もあります。こうした場合は、学校から複写をもらうのがよいでしょう。尚、原則公開のものですから、提示を拒否することはできません。
これまでに、いじめ防止基本方針が表示されていないので、学校に請求したところ、現在更新中でまだできていないという理由で保留されたということがありますが、現在更新中ということは、更新編集中前のいじめ防止基本方針が有効ということになりますから、それをすぐに出すように請求し直したことがあります。こうした一般社会ではあり得ない対応が頻発することが多いので、回答を鵜呑みにせず、冷静に対応するようにしましょう。

いじめ防止基本方針は役立つのか?

結論から言えば、重大事態いじめにまで発展し、これに打つ手がない学校において、「いじめ防止基本方針」は機能していないと評価せざるを得ません。多くの被害者や被害保護者が、「いじめ防止基本方針」を見て、全然やっていないではないかと憤るようです。当団体の代表理事が、まずは、マニュアルのようなものだから、入手はしてみてくださいとSNS上でアドバイスすると、そんなの意味はないという意見が散見されましたが、少し冷静に考えてみてください。
確かに「いじめ防止基本方針」はいじめ対策が後手になっている学校では、まず機能していませんし、教職員がその存在自体を知らないなど、絵に描いた餅以下の存在ですが、機能していないだけで、学校が自ら取り決めたルール・マニュアルであることは間違いありません。
機能していないのと、書面を入手して何がされていないのか、どのようなルール・マニュアルがあるのかを知ることは、別問題です。つまり、ここでは、「いじめ防止基本方針」を入手する目的は、「知る」ことになります。
また同時に、多くの事例で、学校の教職員が「いじめ防止基本方針」がある事を知らなかった、もしくは、そうしたものがある事は知っていたが内容までは知らなかったということが多くありました。つまり、いじめ被害の当事者や保護者が、学校に「いじめ防止基本方針」を請求したところで、やっとその内容に目を通した担任教員が多いのです。
それに、確かに「いじめ防止基本方針」はいじめ防止対策推進法によって定める必要が生じたものですが、参酌してその学校独自の事情に合わせたものを作るということになってますから、どうやっても学校自らが定めたものです。つまり、自分たちで決めたルールですから、よく学校現場言われる「国が勝手にやっていること」という他罰的に解釈することはできず、自ら定めたルールだからこそ、やっていないのは自らの怠慢としか言いようがないということになります。
数多くの事例の中には、被害保護者が「いじめ防止基本方針」を求めたところ、教職員が自ら定めたルールの通りやっていないことを謝罪し、以降、ルール通りに具体的な対応対策をはじめて、いじめ行為が止んだと共に、被害当事者の要望を汲み取り、いじめ対策が進んだというものがあります。
いじめ対策は相手がある事ですから、こうやればこうなるという方程式的な考えが通用しませんから、まずは、正しい基準として、学校が自ら定めたルール・マニュアルを知るために、「いじめ防止基本方針」を入手しましょう。

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