塾に行っているはずの娘を見かけたという連絡を受け、本人に確認すると

相談概要

塾に行っているはずの娘を見かけたという連絡を受け、本人に確認すると、塾へは行っていないと言うが、なぜ行っていないのかは全く言わない。
いじめを受けているのではないか?と疑ったのは、普段は一緒にいる友人らと一緒にいる様子を最近みていないし、娘から友人たちとの話を聞いていないなど、親としての勘のようなものから。
娘がいじめられているかどうか、確認したいと思う。

初期回答

調査によって確認することは可能ですが、調査判明自体をお子様にお話する場合に、信頼関係の確保を担保する必要があります。
調査の前に、もう一度、親子間で話し合いをしてみるというのはいかがでしょう。
調査はその後でも十分対応可能です。また、調査を実施する場合でも、実施を見合わせる場合でも、これまでのお子様の変化など、些細なことでもよろしいので、メモなどで経緯をまとめてみることをお勧めします。特に、塾に行くということや塾の費用をどのように支払ったかなど、また、よく話していたという友人関係などはご相談内容から重要なキーワードが隠されているように思います。

事案経過

保護者であるご相談者様が、塾での様子を聞くために、夏期講習中の塾へ電話をしたところ、夏期講習は受けていない。(講習費用未納のため)との報告を受けた。講習費用は、手払いもできると娘から聞いていたため、十数万円ほどの費用を封筒に入れ、渡していた。このことを、娘に問いただすと、友人らからLINEでのやり取りの中、「ブス」「臭い」「自己中過ぎて付き合えない」などの攻撃を突然受け、謝ったが、許してもらえず、はじめはスマホケースなどを誕生日のプレゼントに買えという程度であったが、段々とエスカレートしていき、様々なものを要求されるようになったということであった。
事後の報告を受け、その対処として、要求のあったLINEのトークが残っているとのことであったので、トーク全体をスクリーンショットにより写真アプリに保存するようにアドバイスした。
被害者である娘さんが、スクリーンショットを進める中、保護者はクラスメイトがその中にいたことから、その保護者へ電話をした。
加害生徒は複数おり、電話を受けた生徒の保護者は、事態を受け、対応をしたそうだが、電話から3時間経過した後、LINEでのやり取りは、「メンバーが退出した」ということで、IDなどの欄が確認できないようになっていた。(証拠隠滅の行為が実施された。)

学校の対応

翌日、保護者から担任教師にいじめの事実の告白を受けたことを報告し、早急な対処をお願いした。担任は他クラスの生徒も関与していたので、学年での対応をして、加害側の生徒へ聞き取り調査をしたが、生徒は、「要求したことはない。」「プレゼントはもらったが、強要した事実はない。」「被害者が自分たちの悪口を言ったり、意地悪をするので、距離を置いただけだ。」などという言い訳をし、学校側は、被害生徒にも原因があるのではないかという回答をしたそうである。
物の強要については、相手側が認めていない以上、問題視はしないという見解であった。

調査による対応

1、問題整理を含めた聞き取り調査の実施

他の被害を受けている可能性もあるため、調査員による被害当事者への直接的な聞き取り調査を実施した。
聞き取りにより、正確な被害日時や場所、加害者の特定を行うことができ、その他被害として、LINEによって物や行動の催促が行われていたことが判明した。

2、加害者に関する調査

後の交渉や法手続きに必要な加害者に関する個人情報を入手した。この調査は、学校側が個人情報を盾に加害児童に関する住所などを開示しないため、必要最低限の情報を調査により収集した。

3、交友関係者への聞き取り

いじめについて被害者加害者といった利害関係のある当事者について改めて聞き取りをすることは、後の別の問題を誘発する恐れがあるため、被害当事者がそもそも交友関係があった者や保護者間で交友関係の深い者をピックアップしてもらい、アポイントの後、直接聞き取り調査を実施した。
聞き取り調査による結論は、そうした様子を目撃した児童が多数おり、加害者らが怖くて注意ができなかったという意見を収集した。

4、調査実施中における外出の調査対策

被害生徒が外に出歩く際などの外出全般については、録音機稼働などの調査対策を実施し、また、調査員による周辺調査活動を行った。
外出の際に、加害生徒ら待ち伏せによる嫌がらせ(報復行為)があり、行為立証のための証拠取集の後、調査員は加害生徒を制止し、被害生徒の保護を行った。この状況は、調査報告書により学校にも報告されることになった。

調査報告書の提出と意見書の提出

調査による対応の全てを調査報告書にまとめ、被害児童の保護者に提出した。また、本件問題についての対応不備や事実確認に関する手法の怠慢についての是正と再度の適正な対応を求める意見書を提出した。

解決について

調査報告書などは保護者を通じ、学校側に提出され、再度の対応が実施されることになった。ことの重大さを認識した学校側は、加害児童及び加害児童の保護者に対し、厳正な注意を行い、被害児童への謝罪の場を設けた。
一方、再発防止のための教員らの再配置を行い、被害児童が安心して学校生活を送れるように配慮した。

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